そっか、俺、カットをしてるんじゃないんだ。 | saysonの「生きることは壮大な人体実験。」

そっか、俺、カットをしてるんじゃないんだ。

2013年10月の初旬
母の友達のカットした。
小さい頃から世話になっていた人。
小学生の頃は怒られたりもした人。
カットはいつもと同じスタイル。普通のボブ。
でも彼女にとっても僕にとっても最初で最後のカット。生きている中で最後のカット。
そんな重要なカット。
その日はサロンでのお客さんの施術を終えてから
お昼に約束の時間におかんと待ち合わせて2人でホスピス(末期ガンの人の病院)に向かいました。
会った瞬間
ヨシくん〜 って覚えていてくれた。
時計を抱えて3分おきにまだか?まだか?
と待ってくれていたらしい。
柔らかい陽の光の差し込むロビーで
久しぶりの再会。
車椅子で出迎えてくれた。
だけれども早くしないと容体が変わると施術できなくなってしまうので素早く準備。
カット中はおかんが話しかけてそれに彼女は答えたりしていた。
混乱しているのか、ちゃんと言葉に応えられている時と脈絡のないことを答えている時があった。
しきりにお腹が空いたと彼女は言っていた。
足が締め付けられるように痛いとも。
パンパンに腫れた足。モノに例えるなら豚足。
見ているだけで痛々しかった。
初めてお会いした旦那さんはスゴく優しく彼女に声を掛けていた。もともと優しい人なのかもしれない。
それは僕はわからない。
それでも、愛情のある声掛けだった。
それが印象的だった・・・
最後に帰るときロビーを歩きながら、旦那さんが
『10月中旬に訪問カットがあると伝えられていたけど
それまで、もたない・・・』
先程までの優しい口調ではなく少しイラだった感じで、そう伝えて下さった。
僕がエレベーターに乗り込み最後に挨拶をしようとした時
『そのような状況だったので
本当に来てくれてありがとう、
綺麗にしてくれてありがとうと涙ぐみながら
握手しながら言って下さった。』
言葉にならなかった…
言葉が出てこなかった。
こんな体験は初めてだった。
手を強く握り返すので精一杯だった。
どんな思いで彼女に寄り添っているのだろう?
どんな思いで彼女に声をかけているのだろう?
エレベーターの中でひとり涙しました。
自分の周りの大切な人が死ぬ事になったらどう向き合いますか?
生きるか死ぬかの瀬戸際になると何もかもがちっぽけなものだと感じるのか?
まだ今の僕にはわかりません。
いつも想っていること。
お客さんや働く仲間を家族や彼女と同じように接する
美容師として人としてその人の特別な存在になることができるかもしれない素晴らしい仕事。
心を込めて向き合うことが大切。
小手先の技術ではなく
その人の生活の中にスパイスを利かせたり
調和したり寄り添い合うことだと僕は思います。
改めて思う原点
『カットは目の前にいる人と
コミニュケーションをとる一つの手段でしかないんだ。言葉みたいなもの。』
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