伸びてから切るのではなく、崩れる前に整えるという考え方

カットは、伸びたらするもの。多くの人がそう考えている。長さが気になったら切る。まとまらなくなったら整える。生活の中で不都合が出たときに、必要に迫られて行う行為。カットはその程度の位置づけで語られることが多い。

確かに、髪は伸びる。放っておいても命に関わることはない。だから後回しにされやすいし、忙しさの理由にもなりやすい。だが、鏡の前に立ったとき、どこかしっくりこない感覚が残ることがある。その違和感は、長さの問題だけではない気がしてくる


こまめなカットの価値は、見た目の変化よりも前に、状態の維持にある。髪型は完成した瞬間から崩れ始める。伸びる方向、重さの偏り、毛流れのズレ。それらは少しずつ積み重なり、ある日まとめて不満として現れる。

間隔を空けたカットは、修正の量が多くなる。結果として、変化は大きくなり、違和感も生まれやすい。一方、こまめなカットは修正が最小限で済む。形を壊さず、整え続けることができる。

ここで重要なのは、他人にどう見られるかではない。自分自身が無意識に受け取っている情報。髪が整っている状態は、姿勢や表情、行動の速度にまで影響する。理由は単純で、余計なノイズが減るからだ。気にならないという状態は、思っている以上に多くのエネルギーを生む。


カットをこまめにするという行為は、見た目を整えることではなく、日常の精度を保つための選択なのかもしれない。